人間関係学科 社会・臨床心理学専攻
専攻紹介
人と人とのよい関係を目指して「こころ」の問題に取り組む
人々の行動やこころを科学的に分析する「社会心理学」。悩みを抱える人のこころを理解し、その支援を目指す「臨床心理学」。心理学を通して人間関係とこころの問題を解明する人間関係力を身につけます。
学びの特徴
専攻のポイント
POINT.1
社会心理学と臨床心理学をバランスよく学ぶ
多岐にわたる心理学の領域の中から、本専攻では特に社会心理学と臨床心理学に重点を置きます。両者をバランスよく学ぶことで、他者とのよりよい関わり方や社会を見る目を養います。
POINT.2
公認心理師・臨床心理士両資格を目指せる
臨床心理学を社会に生かすことができる二つの資格を目指せます。1年次から傾聴のロールプレイ、3年次には心理検査学や実習といった実践的な授業を通して臨床力をトレーニングします。
POINT.3
チームの一員として貢献するスキルや多彩な視点の習得
実習系の必修科目ではグループワークを取り入れています。一人一人が主体的に取り組むことで自分と異なる視点をはじめ、チームの一員として貢献するためのスキルが身につきます。
学びのフィールド
社会で生かせるしなやかな人間関係力、身近な問題を科学的に読み解く力、健康に生き続けられるこころと身体を身につけた社会人になるために4つの科目群から心理学を幅広く深く学びます。また、海外での体験型研修に参加することで活躍の場が広がります。
学びのTOPIC
授業紹介
さまざまなワークをグループで体験し、そこでどんなことが起きていたのか、また自己と他者への理解を深める分析(振り返り)を通じて、実生活に活用できる自己表現力やチームワーク・問題解決能力を育む学びをします。
心理学研究法の一つである実験法を体得します。先行研究を基に仮説を立て、自分たちで考えた実験を実施し、データを分析・考察するという一連の過程を通して論理的に思考する方法と科学的論文の書き方を学びます。
カウンセリングの基礎であり、社会人としての基礎でもある傾聴を学びます。傾聴とは相手の心に寄り添って聴くことですが、ロールプレイングを通じて「あたま」と「からだ」と「こころ」を使って理解していきます。
カリキュラム
※資格関連科目については資格関連科目(諸課程科目)ページで確認してください。
時間割の例
卒業後の進路
主な就職先
【製造】セッツカートン/宝印刷/P&Gプレステージ【情報通信】NTTデータNJK/NTTデータCCS/NTTデータフィナンシャルテクノロジー/MS&AD事務サービス/クリナップソリューション/サイバーエージェント/SOMPOシステムズ/日鉄ソリューションズ/日立ソリューションズ・クリエイト【運輸】日立物流コラボネクスト/ヤクルトロジスティクス【卸売・小売】伊藤忠食品/ダイドー/デサントジャパン/東京青果【金融・保険】ゆうちょ銀行/あいおいニッセイ同和損害保険/第一生命保険/日本生命保険【不動産・物品賃貸】東急リバブル【専門サービス】マネジメントソリューションズ【宿泊・飲食サービス】ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ【教育・学習支援】自治医科大学【医療・福祉】昭島市社会福祉協議会/神奈川県国民健康保険団体連合会/国際医療福祉大学/湖南病院/SOMPOケア/東京金属事業健康保険組合/日本私立大学協会/白山福祉会/ベネッセスタイルケア【複合サービス】マインズ農業協同組合(JAマインズ)【サービス】エム・ユー・センターサービス東京/JR東日本パーソネルサービス/トライトキャリア【公務員】人事院/東京都/岩手県/神奈川県/八王子市/平塚市/杉並区
※過去3年分から抜粋
主な進学先
大妻女子大学大学院/神奈川大学大学院/北里大学大学院/上越教育大学大学院/昭和女子大学大学院/日本女子大学大学院
※過去3年分から抜粋
取得できる資格
科目履修で取得できる資格
- 健康心理士
- 社会調査士
- 認定心理士
- 図書館司書
- レクリエーション・インストラクター
- 博物館学芸員
- 児童指導員(任用資格)
- 社会福祉主事(任用資格)
目指せる資格
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 専門社会調査士
卒業論文テーマ
- 大学生の自尊感情がレジリエンスに及ぼす影響
- 家庭動物と家族との関係性が家族システムの機能度に与える影響について
- 感情が音楽選好に及ぼす影響および傾聴後の感情変化
- フォントの丸みとフォントへの親しみやすさの関連について
- 女子大学生における募金行動を規定する要因の検討 ―援助規範意識と共感性に焦点を当てて―
- 大学生における成績の評価基準が課題先延ばしに及ぼす影響 ―能動的先延ばしに着目して―
- 学童保育指導員の困難性に関する事例研究 ―相互関係・特別支援に焦点を当てて―
- セルフ・コンパッションと自己隠蔽・自己開示の関連
※2022年度テーマから抜粋
卒業生の声
株式会社フジテレビジョン
堤 礼実さん社会・臨床心理学専攻
2016年3月卒業/女子聖学院中学高等学校出身
視聴者の方が感じ、考えるきっかけを発信できるアナウンサーを目指します
――社会・臨床心理学専攻を選んだ理由を教えてください。
高校生の頃、心の状態やパーソナリティのあり方を探る心理テストや、犯罪行為を取り巻く事情を心理学的な手法で解明する犯罪心理学に興味を持っていました。大学で専門的に学びたいと思い、社会心理学と臨床心理学の両方を学べる本専攻を選びました。
――ゼミではどのようなことを学びましたか。
災害心理学といって、自然災害や人為災害における人間の心理的な反応や行動など、災害と人間心理の関係を解明するゼミに所属しました。とても自由なゼミで、ゼミ生それぞれが関心のあるテーマについて調査・研究を進めていました。そのため、取り組んでいることは異なるものの、社会心理学の側面から研究を進める際に欠かせない調査に協力し合ったり、議論したりというチームワークがありました。パソコン室で横並びになって、統計分析に必死に取り組んだことも思い出深いです。
――大学時代はどのようなことに力を入れましたか。
大学での学びに加え、学内イベントへの参加や課外活動、アルバイトと学生時代だからこそできることに挑戦しました。3年次の終わり頃からは週に一度、「BSフジNEWS」の学生キャスターとして活動。急に飛び込んでくるニュースもあり、状況を読んで臨機応変に対応する力が求められるように。駅で新聞を買って、通学中に目を通すようにするなど、置かれた状況でできることを考え行動する習慣も身につきました
――現在の仕事内容を教えてください。
アナウンス室に所属し、アナウンサーとしてニュースや情報を伝えたり、番組の進行を行ったりしています。企業の経営陣に取材する機会も多くあります。
――仕事のやりがいを教えてください。
入社以来、さまざまなジャンルの仕事をしてきましたが、発信するという役割は変わりません。視聴者の方が、私が発する情報や言葉をきっかけに何かを感じたり、考えたりする機会を持ってもらえることがやりがいです。そのためにも正確なことを伝えたいので、事前準備を怠らないことや日頃からアンテナを立てて情報収集することを心がけています。
――大学での学びはどのように生かされていますか。
臨床心理学の授業で実践的に学んだ傾聴の姿勢が、今の仕事で役立つことが多いです。例えば、小さなお子さんがいる方にインタビューするとき、いきなり本題に入るのではなく、少しお子さんの話を聞かせてもらうとリラックスして話が進む場合があります。テレビでは使われない部分ですが、短い時間でも相手との信頼関係をつくる努力がよい結果につながると感じています。また、心理学は正解のない学問なので、さまざまな視点から深く考える力が身につきました。働くようになって改めて、社会生活の中で専攻の学びが生きる場面があることを実感します。
――今後の目標や抱負を教えてください。
卒業論文では、難解な分析方法に苦戦しましたが、ゼミの先生や仲間たちに支えられ、やり遂げることができました。そのときの達成感や経験は、今でも困難な問題に立ち向かう糧となっています。今後も、視聴者の方へのきっかけづくりのプロとなれるよう、努力していきたいです。